日本社会主義青年同盟(社青同)綱領(1973年)

社青同の綱領について

 日本社会主義青年同盟は1960年に結成され、同時に綱領案を討議し、結成大会で決定しました。この綱領は、1973年まで、社青同の思想的な要の位置にありました。すでに1963年頃から、いろいろな批判もありましたが、大局的には正しいものだったから、立派に役割を果たしてきました。
 しかし1968~70年の社青同内部の論争のなかで、改正してつくりあげるべき新綱領についての確信も生まれ、規約とともに、1972年の第11回全国大会から全組織的に討論がはじめられました。数回の原案が小委員会によって提出され、全体討議を2回したあと、1973年暮の第12回大会で、新綱領・新規約が決定されました。

日本社会主義青年同盟綱領

(1973年12月11日 第12回全国大会の決定により改正)

 

社会主義は歴史の流れ

 これまでの世界の歴史は、支配し搾取する階級と、支配され搾取される階級との、階級闘争の歴史でした。1917年に、ロシア革命が成功して以来、世界史は、資本主義から社会主義への移行の時代、働くものが社会の主人公となる時代に入っています。科学的社会主義(マルクス・レーニン主義)の思想は、全世界で勝利しつつあります。
 日本でも、独占資本の支配に対して、日本社会党を先頭に、労働者階級を中心とする勤労諸階層のたたかいが、発展しています。労働運動は前進し、働くものの政治的自覚が高まっています。真に豊かな人間らしい社会をめざす、社会主義への道は、一歩一歩、きりひらかれているのです。
 しかし、独占資本の権力は、非常に強大です。搾取の鎖をたちきるためには、もっと大きな力が必要です。私たちは、階級闘争の理論を学び、広範な青年に働きかけ、団結しなければなりません。

独占資本の支配と諸階級

 最新の設備を誇る工場や、巨大なビルが次々とたてられ、新幹線や高速道路が建設されています。物質的な生産力は、飛躍的に高まっています。ところがそれは、働くものの生活を豊かにせず、逆に、苦痛を大きくしているのです。資本家階級が、主要な生産手段をひとり占めにし、他のすベての国民を搾取して富と力をにぎり、日本を支配しているからです。彼らは、発達した生産手段を、働くもののためにではなく、自分たちのもうけをふやすためにつかっています。そのために国民の生活を破壊してもかまわない、というのが資本主義の思想です。
 私たちのまわりで、多くの青年が、仕事に、生活に不満をもち、現在の社会に疑問をもっています。いくら働いても、低賃金であるだけでなく、機械化・近代化がすすむにしたがって、労働はますますつらく、単調なものになっています。物価高、交通・住宅難や「公害」の氾濫は、ひどくなる一方です。農村では生活を維持できず、都会へでれば、毎日、生命をすりへらしながら働かなければなりません。青年はどこへ行っても、この現実から逃れることはできません。資本家階級の支配のもとで、日本中どこでも、働くものが同じように、苦しんでいるのです。
 資本家階級のなかでも、本当に日本を支配しているのは、有業人口のわずか0.4パーセントほどの独占資本です。独占資本は生産と市場を支配しており、ほとんどの中小資本を系列化しています。独占資本は、職場で労働者を搾取しています。そのうえ独占価格や重税を押しつけて、働くものすべてを搾取しています。国家の権力を利用して、小経営者、農漁民の生きる手段を奪っています。水、土地、電気など、誰でもが必要とするものを、独占資本は安く、大量に手に入れ、国民は、高くかわされています。交通、通信の手段も、すべて独占資本が優先的に使っています。「公害」のたれ流しで、国民から抗議がきても、なかなか設備を改善しようとはしません。独占資本の利害はすべての働くものの利害と対立しています。
 労働者は、生きていくためには、資本家の下で働き、賃金を得るほかありません。生産手段をもっていないからです。だから労働者は、生産の主要な担い手であるにもかかわらず、一人ひとりバラバラでは、たいへん弱い存在です。
 しかし労働者階級は、人口の約70%をしめています。さらに、農漁民、小経営者などのなかから、たえず補充されています。大学生、高校生も、大部分が労働者の子弟であり、卒業すれば、その大多数が賃金労働者になります。
 しかも労働者は、団結してたたかうことをまなんでいます。共通の利害で結ばれ、労働者自身の運動と職業での共同作業のなかで、組織的行動への訓練をつんでいます。
 労働者階級こそ、すべての国民の中心になって、独占資本の支配をうち倒す使命をもっています。
 農民のなかでは、農業だけで生活できる者は、しだいに少なくなり、毎年たくさんの農民が兼業農家から、労働者へとうつっています。農業をつづけている人達のなかでも、肥料、農機具を高く買わされ、作物は安く買いたたかれて、生活は楽ではありません。またそのなかで貧富の差が大きくなっています。
 農漁民、小経営者、知識人、自由業者などの勤労諸階層は、すべて独占資本に搾取・収奪され、抑圧されています。しかしこれらの中間諸階層は、自分の小さな生産手段、個人の知識や技能に頼りたがって、なかなか団結できません。そのために、労働者より貧しく、不安定な生活をしている人達が少なくありません。最近では、これらの諸階層のなかでも、独占資本の政治に対する不満が高まり、団結と抵抗の芽が育っています。
 したがって、いま最も強い力をもち、日本を支配しているのは、独占資本であり、それに対立する力の中心は労働者だ、ということになります。一言でいえば、私たちは二大階級対立の社会に生きています。他の諸階層は、まだかなり動揺的ですが、労働者階級と、共にたたかう条件と可能性をもっています。

反独占闘争と青年

 (一)

 独占資本は、年々、巨大な利潤を手に入れています。けれども資本家は、けっしてそれでは満足しません。さらに大きな利潤を獲得して、国内外の資本の間での競争に勝ちぬいてゆかなければ、存在し統けることができないからです。競争に勝つためには、たえず生産手段の改良(技術革新)と労働力の節約を行ない、生産力を高めることが、至上命令となっています。
 そのために独占資本は、たえず設備の近代化を競い、労働強化、首切り、配置転換を強行しています。末端管理者を使って、労働者を監視し、団結をこわそうとします。職場でのケガは「本人の不注意」にしてしまい、頸肩腕症候群、腰痛症など、職業病にかかった労働者を平然と切りすてます。労働者の抵抗が弱ければ、残業の強制、休日出勤の強制、休憩時間の剥奪も、平気でやります。これが資本主義的合理化です。
 資本家は、口先では「労使一体」と言います。しかし彼等は、自分の利益しか考えていません。賃金も、その他の労働条件も労働者がたたかわなければ切りさげられてしまいます。労働組合の団結を維持するためにも粘り強いたたかいが必要です。労働者を分断し、仲間どうしを対立・競争させるために、資本の側からの攻撃が日常不断にかけられているからです。男女間の差別、本工と臨時工・下請工の差別も軽視できません。
 労働者のたたかいは、しだいに強く、大きくなっています。これまで資本主義的合理化に協力させられてきた労働者の中からも、生命と権利を奪っている独占資本への怒りがたかまっています。とくに青年労働者のなかでは、反合理化闘争を強め、学習をかさねながら労働組合を強くしようという気運が盛り上っています。
 独占資本は必死でそれを抑えようとしています。力だけでねじ伏せることが不可能だとさとって、「人間尊重」だとか「労使相互の信頼感」などといい、話し合いのポーズをとりながら、労働者をこき使おうとしています。残念ながら、まだ多くの仲間たちが、このずるがしこい攻撃を、見ぬいていません。ばく然とした不満はもちながら、資本家階級は本質的に人殺しであり、強盗なのだということを、はっきりと理解できていないからです。  この弱さを克服するには、私たちの献身的で粘り強い努力が必要です。仲間たちの不満と要求を組織してたたかいながら、学習活動をひろめ、労働者と独占資本のあいだには、何一つ共通の利益がないことを暴露し、労働組合の団結を強めなければなりません。

 (二)

 現在の日本は、議会制民主主義であり、国民の種々の権利や、集会、出版、結社の自由が形式的には認められています。憲法には「主権在民」「すべての国民は、法の下に平等」と書かれています。しかしそれはあくまでも形式にすぎません。
 選挙権は、国民一人ひとりに平等にあります。政治活動の自由もあります。しかし資本家階級は、金と利権で人を動かし、各種の教育、報道機関を使って真実をかくし、多数の票をとってしまいます。独占資本の政党である自民党は、国民をだますことによって、多くの議席を獲得します。労働者階級は、差別や弾圧のもとで、また経済的不平等であるために十分に権利を使うことができません。
 搾取する階級と搾取される階級とがあるかぎり、実質的な自由も平等もありえません。実際には、独占資本の独裁が維持されています。
 過半数の議席をしめた独占資本は、国家の権力を利潤の追求と支配の維持に利用しています。企業がもうけるためには「公共」投資を行ない、国、地方自治体の予算を、かすめとってしまいます。自分たちの都合で、法律、条令をつくりかえ、行政機関を意のままに動かします。警察、裁判所なども、権力を支える道具として、強化しています。彼らは憲法を守っていません。「公共の福祉」の名のもとに国民の権利と自由を奪いとっています。それだけではなく、さらに民主主義を破壊し、憲法の改悪も意図しています。
 私たちは、独占資本との政治的なたたかいに、もっと力を注ぐ必要があります。働くものの生活と権利を守り、民主主義の拡大、定着をかちとらなければなりません。また、社会主義をめざすたたかいに、広範な仲間を導くために、真の自由・平等と搾取の存在とが両立できないことを、訴えることが重要です。

 (三)

 平和を守るたたかいも、ますます重要となっています。アメリカ帝国主義が日本を基地とした侵略策動をやめていないだけでなく、日本帝国主義の反動的役割が大きくなっているからです。
 日本の独占資本は、いまさかんに、海外進出をはかっています。アジア、中・南米、アフリカに資本が輸出され、欧米の先進資本主義国にも、企業の進出が多くなっています。日本だけでなく、諸外国からも搾取と収奪を強めつつあります。とくに東南アジア諸国には、「開発援助」の美名のもとに、大量の資本が流れこみ、支配的な力をもつにいたっています。
 政府・自民党は資本の海外進出を支え、国内の階級闘争にも備えるために、憲法に違反した自衛隊の増強に大きな力を注いでいます。「専守防衛」といいながら、攻撃兵器が大量に装備されています。また独占資本に多大な利潤を与えるために、兵器の国産化がすすんでいるのも、最近の重要な特徴です。
 現在では、アメリカとならんで、日本が再びアジアの諸国民に対する抑圧者となっています。それが現在の日米安保体制です。その戦略にそって、沖縄をはじめとする国内各地の軍事基地が、再編・強化されているのです。したがって、アジアの平和のために、私たちの使命は、まことに重大です。
 働くものは誰でも、平和を願っています。しかし、戦争をひきおこし、他民族への野蛮な抑圧を行なっているのが、どの国の、どの階級であるかは、必ずしも広く理解されてはいません。
 広範な国民の平和への願いと、私たちの反帝国主義、反独占のたたかいとを結びつけることが、戦争を阻止する力をつくりだします。

 (四)

 独占資本の支配には、大きな制約がくわえられています。労働者階級をはじめ、勤労諸階層の不満、不信が高まり、革新勢力の反撃が強められているからです。独占資本は、その支配をいくらかでも安定させるためには、資本主義への国民の幻想をつなぎとめなければなりません。
 そのために、時には彼らの側から、大衆の要求をくみあげてみせたり、「平和と福祉」を口にしたりします。それは独占資本にとっては、譲歩であると同時に、大衆の不満をやわらげ、支配を維持するための手段でもあります。支配階級はこうした懐柔策をとりつつ、思想攻撃を強めているのです。
 教育、学問への支配・介入も露骨にすすめられています。教育は、従順な労働力を養成するためのものにされ、利潤の増大に役立つ学問だけが保護されています。
 マスコミやレジャーなどの資本主義的な発達は、文化をますます強く、資本に従属させています。その結果、資本主義的な思想の宣伝に役立つもの、あるいは、低俗で「よく売れる」ものしか、供給されません。
 階級対立の激化の、一つの側面として、教育、学問、芸術、スポーツが、より強く独占資本に支配され、文化の退廃が促進されています。私たちは、働くものの教育をうける権利を守り、文化的要求を組織してたたかい、青年の文化活動を育てなければなりません。同時に私たちは、資本主義文化の腐敗、堕落を批判し、科学、芸術の全面的な発達は階級支配のもとでは不可能であることを、暴露しなければなりません。

社会主義革命と日本社会党

 国民のほんの一部が、主要な生産手段をにぎり、その生産物を独占することによって、他の国民を支配し、なおかつ、利潤の増大のために搾取と収奪を強めることが許されるかぎり、いくら改良を積み重ねても階級対立は緩和しません。むしろ、すでにのべたように、生産力の発展に伴って、階級の利害の対立は大きくなります。階級闘争は、これまで搾取され支配されてきた、圧倒的多数の労働者階級を中心とする勤労諸階層が、独占資本の独裁を倒して国の支配者になり、生産手段を国有にして搾取の根源を取除くまで、発展せざるをえません。
 現実に私たちの周囲で、その法則にそって政治、経済、文化のすべてに、階級対立が鋭くなっています。そして独占資本の支配、自民党の政治に対する不満と不信は、年ごとに大きくなっています。
 労働組合のたたかいは、しだいに大規模になり、激しくもなっています。自民党の得票は、選挙のたびに少なくなっています。独占資本と自民党のウソが徐々に暴露されているのです。私たちは、意識的、積極的に、そしてより広く、この暴露を行なわなければなりません。また敵を追いつめていくために、組織的な力を大きくしなければなりません。
 階級矛盾が激化しているにもかかわらずその暴露が十分でないと、社会全般の荒廃のうちにあって、大衆の政治不信がつのります。私たちは、どこに怒りを向けてよいのか、わからないでいる大衆がふえていることを、重視する必要があります。
 彼らは、現状否定でありながら、労働者階級の団結にも反感をもっています。中間諸階層や未組織労働者のなかには、その意識が拡がる条件があります。この大衆のエネルギーが、矛盾のいっそうの激化のもとで、独占資本の反社会主義の思想攻撃と結びついたとき、それはファシズムに組織されるおそれがあります。
 階級闘争の前進のためには、反独占・社会主義の戦略をもって、労働者階級を中心とする勤労諸階層の先頭にたってたたかっている日本社会党を支持し、共に前進することが重要です。また私たちは、労働組合をはじめ、あらゆる大衆組織を強化する必要があります。とくに労働組合のなかで、日常不断の反合理化闘争と学習活動、抵抗と仲間づくりをつうじて労働者階級の思想を確立することを重視する必要があります。
 同時に私たちは、共通の敵とたたかうために、社会党を中心に、すべての革新政党、労働者、農漁民、小経営者、学生、知識人、自由業者を組織的に結集し、独占資本を孤立させなければなりません。とりわけ私たちは、無数の青年を、反独占の戦線に組織化する任務をもっています。こうして、独占資本とたたかう統一戦線をつくりあげることができれば、私たちのたたかいは、非常に有利になるだけでなく、客観的条件の成熟のもとで、独占資本の権力を打倒し、社会主義革命を実現することができます。
 現在の日本では、強大な組織的な力、すなわち、社会党を中心とする強固な中核と、反独占統一戦線による数千万の国民の政治的統一をもって、社会主義革命を実現することができます。武器の力では、独占資本の権力を倒すのは不可能です。このことを科学的社会主義の理論が教えています。

帝国主義の後退と社会主義の優位

 帝国主義の後退、社会主義体制の優位性の確立と民族解放闘争の前進は、ますます明瞭になっています。帝国主義諸国内での階級闘争も、高まっています。
 社会主義諸国は、すでに14になり、世界人口の3分の1が、搾取のない社会に住んでいます。(帝国主義国とその植民地は六分の一)。ソ連をはじめ、各国の社会主義建設は着実にすすみ、国民の生活は年々豊かになっています。文化の発展、科学の進歩も、めざましいものです。
 社会主義世界体制の発展が、世界史を動かす、決定的な要因となっています。
 ベトナムでの不屈のたたかいに代表される、民族解放闘争も、いくつかの部分的な後退にもかかわらず、力強く前進しています。帝国主義は、いまなお各地で狂暴な攻撃をくり返し、民族の正当な権利を奪っています。だがそれは、歴史の流れをおしとどめることはできません。各国の独占資本はもはや、かつてのように勝手な市場争奪をできないばかりでなく、次々とそれを失っています。
 今日では、平和共存政策は帝国主義勢力の侵略・戦争政策を積極的に阻止していく、国際的な階級闘争の重要な柱となっています。
 帝国主義諸国は、前進する社会主義の力に対抗するために、相互に依存しあっています。しかし各国の独占資本が、生産と市場の拡大をもとめるかぎり、対立・競争も激化せざるをえません。それはまた、各国内での矛盾を深めています。
 これまで長い間、世界に君臨していたアメリカ帝国主義は、その国際的地位を低下させるとともに、国内では政治、経済、文化のすべてに腐敗が著しく、国民の不満が高まっています。西ヨーロッパ諸国では、インフレと資本主義的合理化に対する、ストライキの波が拡がっています。とくにイタリア、フランスなどでは、経済闘争においてだけでなく、政治的な力としても、かつてなく強大です。
 こうして、反帝勢力は全世界で前進し、帝国主義の後退は、もはやとめようがありません。一方のたゆみない前進と、他方のたえまない後退は歴史的に見ればもはや帝国主義の時代が終りつつあることを示しています。
 私たちが世界の仲間たちと連帯してたたかえば、歴史の歯車をさらに強くおしすすめることができます。とりわけ、日本の多くの青年が、各国の進歩的青年組織を結集している世界民主青年連盟を中心に、あらゆる国の青年と、ともにたたかい、その教訓を学びあうことは、ますます重要になっています。

社青同の歴史

 社青同は、1960年に、安保と三池のたたかいのなかで結成されたときから、一貫して、独占資本とたたかい、青年労働者を中心とする広範な青年の組織的な力を高めながら、社会主義革命をめざして活動して来ました。
 私たちは、平坦な道を歩んできたのではありません。しかしその困難なたたかいは、貴重な教訓をもたらしています。
 60年代の前半には「高度成長」のなかで支配体制を固めつつあった独占資本に対して、職場からの反撃の芽を育てながら、組織と思想の建設を追求しました。
 当時、独占資本とその政府は、職場では大規模な合理化とともに、労資協調思想を労働者におしつけ、支配体制の強化のために、憲法改悪をうちだしていました。
 労働運動のなかでは、いくら抵抗しても敗けるから、敵もうけ入れざるをえないような政策をだしながら、徐々に敵の力を弱めて、社会主義に移行できると説く、改良主義が拡がってきました。
 社青同の一部にはその影響をうけて、反合理化闘争と学習活動を軽視して、幅広い青年の意識にあわせた運動だけを強調する考えが大きくなりました。
 しかし、職場でたたかっている同志たちは、敵の攻撃の本質を見抜きました。そして、反合理化闘争を基礎に、労働者階級の組織を固めつつ、帝国主義的支配体制そのものとの、全面的な対決をめざす姿勢を確立しました。その主張は、六四年の第四回大会で、正式に確認されました。
 60年代の後半は、独占資本とその政府が優勢を誇り、労働運動は一時的に停滞していました。
 多くの同志たちは、職場抵抗にもとづく労働組合の強化と学習活動をつうじて展望をきりひらこうと、粘り強いたたかいを続けました。それは、労働組合の右傾化、階級対立を否定する市民主義の傾向のなかで、きわめて苦しいたたかいでした。
 その困難な状態を利用して、同盟内にもぐり込んだ極「左」主義者が分派活動を強めました。他の同盟員の間にも、若干の動揺がおこりました。
 しかし、三池の労働者に学び、反合理化闘争と学習活動を続けていた同志たちは、班活動の確立を基礎に、組織のたて直しをすすめました。同時にその過程で、労働者階級を中心とする勤労諸階層の団結を否定する思想とのたたかいの重要性を学びました。すなわち、労資協調の思想はもちろん、少数の活動家のみでの玉砕的な戦術をあおる極「左」主義も、階級闘争の発展に敵対するものだという教訓をつかむことができたのです。
 71年の第10回大会で、社青同の思想統一がなされ、それ以降の急速な成長への道がひらかれました。私たちは、こうした歴史をふりかえってみるとき、「青年の任務は学ぶことである」というレーニンの教えが、いかに大切であるかを痛感します。社会主義の理論と実践を学べば学ぶほど真面目な青年をひきつけ、社青同の活動が豊かになり、青年運動のなかで指導的役割をはたすことが実証されているからです。

社青同の決意

 資本主義の矛盾が深まり、労働者階級を中心とする、勤労諸階層の不満が高まっています。周囲の青年たちは、怒りといらだちにかりたてられながら、進むべき道をさぐっています。この青年たちを、誰が、どの思想をもって組織するかが、これからのたたかいを決定します。
 私たちは、科学的社会主義の理論によってうらづけられた労働者階級の思想、すなわち、すべての働くものが団結して、独占資本の権力を倒し、社会の主人公となることによって自らを解放するという思想を、すべての若い仲間たちのものにするために、全力をあげてたたかいます。
 独占資本が、階級支配の本質をかくし、労働者階級を攻撃する思想をさまざまにつくりかえ、青年の階級的自覚を抑えようとしている現在、理論の武器を磨くことは、私たちの最も重要な任務の一つです。そのために、日常の活動をつうじて、階級闘争の現実を学ぶとともに、マルクス、エンゲルス、レーニンをはじめとする、世界と日本の先輩たちがつくりだした、理論的成果を吸収することが重要です。科学的な理論の力によって、私たちは、階級対立の、部分ではなく全体を、現象でなく本質をみることができ、現在と同時に未来の展望を認識して、確信をもって仲間たちに語りかけることができます。
 私たちは、独占資本の搾取と抑圧に対する、あらゆるたたかいのなかで自らを鍛え、大胆に青年たちに働きかけます。そして、社会主義の思想をひろめ、無数の青年たちを組織しながら、社青同自身の躍進をかちとることを通じて、勝利の道を、さらに大きく切り開こうとしています。
 そのために、次にかかげる任務を、すべての同盟員の共同の決意としながら、多くの若い仲間が社青同に結集することを呼びかけます。

1、独占資本の支配をうち倒し、社会主義の実現をめざしてたたかいます。
1、日本社会党を先頭とする反独占統一戦線の一翼をになう、強大な青年戦線を組織します。
1、働くものの生活と権利を守り、民主主義と平和をかちとり、資本主義文化の退廃に抗してたたかいます。
1、あらゆる職場、学園、地域で青年の団結を強め、同時に、全世界の労働者、進歩的青年と連帯します。
1、科学的社会主義の理論を学習し、あらゆるたたかいのなかで学びながら、自らの向上をめざします。
1、社会主義者にふさわしい生活態度を身につけ、いつでも組織の一員としての自覚をもって活動します。

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